最近、結婚式のエンドロールを請け負う業者さんとご飯に行く機会が多い。
そこで情報交換を行うのだが、「BGMの著作権」と持ち込みを格安で請け負う映像業者さんのお話が話題になっており、私たちのお客様も関係するだろうなと思い書き残します。
この投稿の対象者
結婚式にてエンドロールなどの映像を持ち込み業者にお願いしようか検討している方
最近の出来事
JASRAC(日本音楽著作権協会)が結婚式・披露宴に使われるBGMにお金を取るようになってきた。
エンドロールなどの結婚式の持ち込み映像に関して、ISUMマークがないと上映できない会場が増えた。
対象
- 生演奏(チャペル・披露宴での生演奏)
- 披露宴でのBGM
- プロフィールムービーのBGM
- エンドロールムービー
- 記録用の録音
JASRACが大手結婚式映像会社(ビデオソニック)が提訴
JASRACが結婚式のプロフィールムービーやエンドロールを作成していた制作会社ビデオソニックを提訴しました。
最終的には和解しましたが、年間9千件を超す結婚式向け映像を制作していたので、和解額は数億円とも言われてます。
映像持ち込み業者に新郎新婦の立場であれこれ質問してみた
Q1:エンドロールなどの映像を持ち込みでお願いした場合、別途でJASRAC(日本音楽著作権協会)に支払う必要があるのか?
結論からいうと「YES」です。
厳密にはJASRACではなく、ISUM(一般社団法人音楽特定利用促進機構)に支払わなくてはいけません。
Q2:結婚式場のお見積もりにJASRA手続き費用が入ってますが、それでもISUMに払わなくてはいけないのか?
こちらも「YES」です。
仮に持ち込み業者ではなく、結婚式場おかかえの業者であれば、結婚式のお見積もりにJASRAとISUMがに入ってますが、ご自身でエンドロールなどの映像を持ち込み業者を頼んだ場合は、持ち込み業者からISUMへ支払わなくてはいけません。
Q3:仮に自身の結婚式でエンドロールを持ち込み業者にした場合は、ISUMへ支払っていない場合はどうなるのか
法律上10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金がかせられます。
現状、持ち込み業者に課せれる罰則だが、これが新郎新婦に課せられないとは限りません。
今ところ新郎新婦が罰せられたケースがないだけで、今後、持ち込み業者と新郎新婦両方が罰せられる可能性もあります。
なので、絶対大丈夫だなんてことはありません。
Q 4:ISUM(一般社団法人音楽特定利用促進機構)の申請料っていくら?
曲の尺や納品物(動画なのか静止画なのか)によって変わりますが、エンドロールの場合、申請料は1曲6,000円程度です。
さらに申請代行手数料として3,000〜5,000円かかるので、トータルで1万円程度です。
Q 5:じゃあ持ち込み業者って皆払ってるの?
大手の映像会社はちゃんと払ってるようです。
格安で請け負ってる映像会社や個人でやってるところは、まだまだちゃんと払ってる業者は少ないようです。
特にたちが悪いのは、ISUMへの申請をしてないのに、「うちは大丈夫です」という格安業者です。
ここは本当にたちが悪いです。
仮にそのことを鵜呑みにした新郎新婦が、後になって訴えれても、知らんぷりなんで気をつけないといけないですね。
Q 6:エンドロールなどの映像を持ち込み業者に頼む際に気をつけるポイント教えてよ
- ホームページにISUMに加入している事を明記してるか
- ISUMへの著作権申請料を支払った証明書を出せるか
- メールなどのやりとりに、ISUMへの申請をしたことを経緯報告してくれるか
まず、ホームページにISUMに加入しているかどうか、これは業者を選ぶ上でのポイントになります。
次に、ISUMへの著作権申請料を支払った事を映像会社が新郎新婦に証明書を出せるかどうかもポイントになります。
さらに念には念のため、メールのやりとりでISUMへの著作権申請料を支払った事を明記しているかです。
ちょっと大げさかもしれませんが、それくらいしておけば安心です。
最後にまとめ
結婚式のBGMにお金がかかることなんて、10年前までは全く聞かない話でした。
とはいえ結婚式で音楽を使って演出するなら、音楽家に対価を支払うのはある意味健全であり、同じクリエーターとして理解できるところもあります。
最近ではJASRACへの風当たりも強く、そこまでお金取るか!なんて意見もありますが、ルールはしっかり守らないとダメですね。
結婚式のエンドロールなどの映像を持ち込みで検討されてる方の参考になれば幸いです。
※内容は全て、いち結婚式映像業者に聞いた話をまとめてるだけであり、多少間違いがある可能性もございます。何卒ご了承ください。